戦国時代に、豊臣秀吉が小田原の北条氏を攻めた際、小田原城の近くに一夜にして城を築き、北条側の戦意を喪失させたと伝えられています。
不動産競売における件外建物は現代の一夜城のようなものです。
さすがに占有屋さんは一夜というわけにはいきませんが、すばやくお城を造ります(たいていはプレハブ小屋程度)。
そして、まるで戦国時代に旗印を掲げたように○○協会とか、政治結社○○社と書かれた看板を立てるのです。それを見た買受人は購入意欲を喪失してしまいます。
バブルの時期には、こうした大仕事をする占有屋さんがよくいました。
ところが最近は、あまり見かけなくなってきたように感じます。
おそらくバブルの頃は不動産の価格も上がっていたので占有すればするだけ実入りも大きく、したがって城を築いて篭城しても、十分回収できたのでしょう。
ところが、バブル崩壊後は、不動産の価格が下がってしまい。占有屋さんが長期間篭城していては、回収が難しくなったのではないかと思います。
最近の占有屋さんは、占有すると、さっさと第三者に転貸して、敷金前払賃料で回収するというスマートな方法を好みます。わざわざ一夜城を築き、旗印を掲げるといったパターンは少なくなってきたようです。