明け渡し交渉(3)
翌日、アポイントをとるべく柳田氏に連絡したところ、早い方が良いだろうとのことで、その日の夕方打ち合わせを行うことになりました。
まずはこれまでの交渉経過と先方の弁護士からの最終的な明け渡し案をご説明した上で私の見解をお話しました。
- 柳田氏にとっての重点目標である年明けには工場を稼動させることが可能な内容になっている
- 当初想定していた明け渡し費用が150万円〜200万円だったので予定より低く抑えられている
- 今回残置物の所有権放棄を取り付けることは非常に意味があり、これをしておかないと動産競売など競売特有の手続きが必要となり、金額や時間がかなり必要になってしまう
※わざわざ話し合いで明け渡しを解決する理由の8割位はこの残置物の所有権放棄をさせるためです。たとえゴミであっても他人の所有物を勝手に処分できません。
- 今回の案文で8月31日以降については無料というのはメリットが高い、120万円というのは8月31日に処理が終わるのであれば工場明け渡し金額の平均から考えても許容範囲であるし、先方としても8月31日の引越しに向けて真剣に取り組まざるを得ない。また仮に8月31日を越えたとしても11月15日の線であれば1月工場稼動について問題がなく、費用もかからないとなればどう転んでも当方に害は無い
- 完全に私的な予想であるが、これから移転先を探して8月31日までに立ち退きが完了できるとは思えない。となると金銭がかからず話し合いでの処理ができることになりメリットは高い
これらのことから私としては今回の案文で合意を成立させたいと伝えました。
柳田氏も大筋についてはご理解いただきましたが、合意内容を相手が守るかどうか不安とのことでしたので、当方としても、先方の弁護士にもたちあい印を頂く形で正式な合意書を取得し、罰則も織り込むこと、またそれが裁判においても有効な文書で作成することをご説明したところ、ようやく安心され「お任せします」とのお言葉を頂戴しました。
>>合意書の作成につづく